2003. 2
NEWSLETTER No.15 January 2003
日本コミュニケーション学会九州支部 CAJ九州支部
KYUSHU CHAPTER 支部長:佐藤勇治(熊本学園大学)
of The Communication Association of Japan 事務局:
〒852-8558長崎市三ッ山町235
長崎純心大学 人間心理学科
畠山 均 研究室内
Tel:095-846-0084
Fax:095-849-1894
E-mail: hatakeyama@n-junshin.ac.jp
支部長挨拶 |
支部長 佐藤勇治(熊本学園大学)
九州支部会員の皆様、新年おめでとうございます。
昨年10月の第9回支部大会で支部長に再任されまして、心を新たに支部運営にあたる覚悟でおります。一期目は初めてのことで不安な旅立ちでありましたが、事務局長や運営委員各位、また支部会員の皆様の暖かいご支援のもとに何とか勤めを果たすことができました。何かと行き届かないところも多々ございますが、今期もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、ご承知のように今年は九州支部開設10周年を迎えます。記念すべき節目の年に、一昨年来検討を進めて参りました「支部紀要の創刊」と「ホームページの開設」を間もなく実現できる運びとなりましたことは誠に喜ばしいことであります。関係各位の献身的努力に厚く御礼申し上げます。今後とも支部会員の協力によって益々九州支部が発展することを共にお祈りしたいと思います。
10月には10周年記念支部大会を熊本学園大学で行います。大会テーマを「コミュニケーション研究の多様性:課題と方法」とし、研究発表のほかに記念講演やシンポジュウムなども予定しております。今から今年のご予定に入れていただき多数の支部会員の皆様と共に10周年をお祝いしたいと思います。今後益々一人一人の支部会員相互のコミュニケーションをお祈りしたいと思います。密にして、会員各位が積極的に学会活動に参加されますことを 期待しております。
支部会員紹介 |
(敬称略&順不同)
林 裕二 (西南女学院大学)
Your test did not reflect my academic potentialities properly.
コミュニケーションに関連する体験談を自己紹介に代えます。2001年に約二ヶ月間、姉妹校の米国マーサー大学(Macon GA)へ交換教授に参りました。それまでの交換教授は、皆アメリカで、何らかの形で長期滞在した人ばかりで、私は学生の夏期研修の引率で二回訪米したことがあるだけでした。中学から大学の英語関連の教員で、英語圏で生活経験のない者が、非常に珍しくなりつつあるような昨今、いわば私は絶滅の危機に瀕した品種で、もっと保護されてしかるべき貴重な存在なのかもしれないと思いつつ、そのような私を送り出す西南女学院の懐の深さに感謝しながら機上の人となりました。
さて、アメリカで教えるとなると、予想外のことの連続となります。面倒見の良いDr.
Kanterが、教学面の全面的な助言をくれました。学生は最初は好意的な応対をするだろうが、中間試験をすると態度が一変するとの予言もありました。果たして、その予言は見事に当たり、学生の態度はWe
love you. から We hate you. へと大転換を遂げました。その原因はテストの結果が平均50点台だったことです。成績を伝えた授業では、その成績が争点となり、厳格すぎるとか、自分たちは最優秀の学生ではないにしろ比較的優秀な学生なのだからこの成績は納得できないなどと集中砲火を浴びました。13名中で批判しなかったのは、2人だけで、その1人は最高得点者、もう1人は語学力不足の日本人でした。
この自己紹介のタイトルは、そのような中でのある学生の発言です。彼女は研究室でも滔々と私の“不当さ”を訴えていきました。別の学生は、Though I did my best, I only got 43. Please explain why such a terrible thing happened.と研究室で泣きわめきました。この授業中に私はただ学生の言い分に開いた口がふさがらない心境でした。つまり無言だったのです。これがそもそも間違いの種となったのです。「沈黙は金」から「雄弁は金」への切り替えの必要を知るきっかけとなり、次の授業で、自分の側の正当性を説きました。ちなみに、タイトルの発言主は最終テストでもacademic potentialitiesを発揮できませんでした。
横堀 仁志 (南九州短期大学)
私は宮崎県市内の南九州短期大学で英作文,英語音声学,TOEIC対策講座,英検対策講座,プレゼンテーション概論などを教えています。来年度からはCALL演習も担当することになっており,期待と不安が交錯しております。短大教員,また研究者としてはまだまだ駆け出しですので,皆様のご指導のほど,宜しくお願いいたします。
出身は茨城県水戸市で,日本大学文理学部教育学科を1991年に卒業いたしました。高校まで英語に興味がありつつも成績はいっこうにぱっとしませんでしたが,大学時代にESSに出会い,もともとイベント好きだった私は年がら年中スピーチ大会などのイベントをしているESSに夢中になり,イベントに引っ張られる形で英語の勉強にのめり込んでいきました。大学卒業後は英会話学校「イーオン」に就職し,本社勤務を経てスクール教員として配属され,そこで現在の私の教員としての基礎をすべてたたき込まれました。英会話学校の教師にはよくあることなのですが,英会話を教えたり,外国人教員スタッフと仕事をするうちに自分の英語力を更にアップしたくなり,また異文化コミュニケーションなどにも興味が芽生え,米国留学を目指すようになりました。
結婚後,米国ミズーリ州のセントラルミズーリ州立大学大学院に留学。諸処の事情で1年間だけで帰国しましたが,その時に勉強した「対人コミュニケーション」に特に興味を持つようになり,現在も「英語教育」と「対人コミュニケーション」が主な研究テーマになっております。
帰国後,現在の短大にお世話になっておりますが,今までに「恋愛・夫婦関係に関する一般的な指南書と対人コミュニケーション理論の理論的整合性」,「夫婦はなぜ離婚するのか:離婚原因に関する一考察−アメリカでの研究結果報告を中心に−」,「若者の携帯電話の利用方法と対人コミュニケーション行動傾向の相関関係」といったテーマで論文を書いて参りました。今後の研究テーマとしては,コミュニケーションのための英語を教える上で,何がその授業や指導の成否を左右する要因なのかを探求することや,日本の若者のコミュニケーション行動傾向の研究を考えております。
2年前のCAJ全国大会で初めてCAJ九州支部の先生方とお会いさせていただきましたが,新参の私に暖かい声をかけていただき,大変感激いたしました。今後ともご指導のほど,宜しくお願い申しあげます。
横溝 彰彦 (福岡県大川市立大川中学校)
まずは手短に経歴を紹介させていただきます。福岡教育大学の中学英語科を卒業後、九州産業大学で2年ほど教務関連の事務職をしていましたが学問の道を志して退職し、カリフォルニア州立大学系列のサンノゼ州立大学コミュニケーション学研究科の修士課程に留学しました。昨年8月に無事修了し、現在は大川中学校で常勤講師をしています。選択授業や総合学習の時間など私の中学生時代とは様変わりした中学校教育ですが、周りの先生方や生徒達に支えられながら楽しくやっています。来年度は地元の久留米大学で非常勤講師をさせていただけることになっており、今から少々興奮気味です。
留学中から何かとお世話になっております支部長の佐藤勇治先生と九州支部のホームページ作成の話をしたのが契機となり、昨年の支部総会でホームページ担当の支部運営委員を拝命しました。九州支部以外でも各支部でホームページ作成の話が進んでいますが、昨年末の理事会でホームページ検討委員会という諮問機関が発足し、その取りまとめ役も仰せつかっています。若輩者でCAJに入会してまだ2年弱の私に早速このような仕事を任せていただき、恐縮しつつも楽しんでやらせていただいています。九州支部役員・各支部のホームページ検討委員の皆様と語らう時間が何よりの報酬です。
研究分野として、文化とコミュニケーションと教育の接点に興味を持っています。異文化コミュニケーション、コミュニケーション教育、教育の場でのコミュニケーション、英語教育、批判教育学と言った方が分かりやすいでしょうか。修士課程在籍中は主に日本人留学生のアイデンティティ形成の問題に取り組みました。修士論文では日本人留学生のパブリックスピーキングの授業に対する動機とアイデンティティについて質的・批判的に分析しています。今後はそれらで学んだ視点をコミュニケーション・英語教育に活かしていきたいと考えています。元々が教育畑出身のためか、自分の人生は教育とは切り離せないようです。現在は自分自身の視点を鍛えるために現象学、解釈学、社会構築主義を中心に勉強中です。良書をご存知でしたらご推薦ください。喜びます。
10周年記念大会のご案内 |
次回の支部大会は第10回目になりますので「10周年記念大会」として下記の要領で実施されます。尚、大会の詳細については後日連絡致します。
期 日:平成15年10月12日(日)事務局からのご案内とお願い |